外資系リーマンです。お盆休みという事もあり、更新をサボっておりました・・・。
さて、今日はサウジアラムコについて記事にいたします。
サウジアラムコ7割減益
サウジアラムコはサウジアラビアの国有石油企業です。
その企業規模の大きさから上場時時価総額世界第1位に躍り出ましたが、
コロナウイルス以降のNASDAQの伸び率にはついていけず、時価総額第1位の座をアップルに譲っています。
そのサウジアラムコですが、石油採掘コストが世界最安のため今回ロシアと組んで、石油価格をOPEC(石油輸出機構)の定める物より大幅に引き下げました。
これが今回の石油価格暴落の発端ですね。その後コロナウイルスの需要減が重なり、石油企業は大打撃を受けています。
しかし、サウジアラムコ自身もこの石油価格暴落を受け今回7割減益と打撃を受けました。
サウジアラムコはこれ以上原油価格を下げられない
サウジアラムコは世界一採掘コストの安い原油企業であり、世界一の規模を誇る石油企業です。
では、このまま石油価格を下げ続けてライバル企業を排除できるのでは?と思われるかもしれませんが、それが出来ない理由があります。
ロイヤル・ダッチ・シェル、BPは業績悪化に伴い減配を行いました。
しかし、サウジアラムコは減配をしませんでした。
これはなぜか?サウジアラムコは国有企業のため、この配当資源をサウジアラビア政府は財政予算に宛てこまれているためです。
そのため、簡単に減配することは出来ず、7割減益にも拘らず純利益の3倍にもなる配当を支払う事になっています。
サウジアラムコ
2020Q2 純利益 65億7000万ドル
2020Q2 支払配当額 187億5000万ドル
この結果、サウジアラムコのキャッシュフローは非常に悪くなっています。
そのため、札束で殴り合うような、これ以上のディスカウント戦略は取れないのです。
今後の原油価格について
原油価格については、ディスカウント戦略をサウジアラムコが取れない以上、需要と供給によりバランスしていくでしょう。
コロナウイルスの影響は依然強く、自動車、航空も軒並み業績が悪いです。(テスラは非常に業績が良いですが、納品が出来るかどうかが依然不透明です)
そのため、需要が急に盛り返すという事は考えにくく、石油企業投資家達は長く冬の時代を過ごす事になるでしょう。
しかしながら、サウジアラムコがこれ以上のディスカウント戦略を取れない事を見ると、今が石油企業は底である可能性が高く、一定の規模を持つ石油企業達は生き残るでしょうから、長期的な目線では株価はこれから上がっていく事に賭けて、投資する事も可能です。
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