【中国株ADR】米上場廃止のニュースを受けて

ADR

外資系リーマンです。

日経新聞によると、

20日米上院本会議は、米国に上場する外国企業に経営の透明性を求める法案を可決した。外国政府の支配下にないことを証明するよう求めるほか、米規制当局による会計監査状況の検査を義務付ける。3年間、検査を拒否した場合は上場廃止となる。

と発表しました。


米国上場中の中国株ADR

このニュースは我々日本人にとっても痛手です。

中国株には以下を代表する魅力的な投資先が多数あります。

アリババ(BABA)     中国最大のオンラインショッピング企業

テンセント(TCEHY)   世界最大のゲーム会社

バイドゥ(BIDU)    中国版Google ※中国ではGoogleが使えない

シノペック(SNP)    中国原油企業  世界原油企業ランキング8位


米国上場が出来なくなると中国株ADRの株価は?

今回のニュースの目的は、米国投資家の資金を米国企業投資に向けることにあります。

つまり、上場廃止になった場合、上記のような企業の流動性が悪くなり、米国投資家の資金が離れ、恐らく短期的には株価が大きく下げると思います。

そのため、中国株ADRに投資がしにくくなり、株価低迷が続くことが予想されます。

そもそも、ADR上場廃止の場合売却は?

これについては、過去、英国電話会社BTがADR上場廃止になった際の、SBI証券の記録を参考にできます。

9/13-9/20までOTCでの取引。

9/23にADR終了(OTCでの取引不可)。

2020/3/23までに、
(1)1ADRにつきBT普通株5株の受領、もしくは、(2)1ADRにつきBT普通株5株の売却代金相当額の受領のいずれかを選択となります。

つまり、株式を上場を維持している市場の同価値の株式か、お金に交換してくれるという物です。

上記の場合になれば、中国株であればSBI証券でも売買できるため日本人投資家は慌てる必要はないかもしれません。


まとめ

中国株ADR上場廃止の条件は、米規制当局の監査を3年拒否した場合

ADR上場廃止の場合は、株価は下がる事が予想される

ADR上場廃止の際は、時価に相当する中国株式やお金に交換してもらえる

上記の事が考えられるため、今回のニュースを受けて狼狽売りする必要は全くありません。これらのニュースは、中国企業の業績には全く寄与しないためです。

しかしながら、アメリカの中国企業への規制や圧力は今後も強くなることが予想できるため、中国企業が自ずから、米国上場をやめる可能性は十分に考えられます。

例として、

中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディングは2019年11月26日、香港株式市場に上場しています。

米国投資家だけでなく、香港や中国投資家からも多く支持されており、既にリスク分散を行っています。

我々は、景気の動向を見ながら、中国企業に投資する場合は、監査拒否を続けるような中国企業が出ないかを引き続き注視していく必要があります。

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