【NYダウ伸長】原油価格4日連騰と石油メジャー企業の戦略

原油

外資系リーマンです。G.Wも残すところ後1日ですね。

毎日家で過ごす日々が増え、読書などの時間が増えました。

過ごし方を変えてみる事で見つかる発見や学びもありますね。

昨夜のNYダウは下落から始まりましたが、

最終的にはGAFAM等のITや原油価格4日連騰を受け石油企業が大きく伸長しました。


石油企業と石油先物価格

上記の昨夜の記録を見ると中国石油企業のシノペックと、ペトロチャイナ以外は大きく戻している印象です。

これは原油価格が4日連騰していることが影響しています。

ただし、いずれの石油メジャーも石油価格損益分岐点が30ドル前後のため、

石油価格と今後の株価は密接にかかわってきます。

注視する必要があるでしょう。


石油メジャー各社の1Q決算

1Qの石油メジャー各社の決算は散々たるものでした。

理由は上記の通りですが、石油価格の値段が下がっていることに加え、

コロナショックにより、需要が大幅に落ち込んだことが原因です。

細かい数字は省きますが、各社に置ける状況は下記のとおりです。

エクソンモービル 赤字

ロイヤル・ダッチ・シェル 赤字

ペトロチャイナ 赤字

シノペック 赤字

BP 赤字

トタル 本日発表予定

シェブロン 黒字


シェブロンだけが黒字の理由

シェブロンだけがこの状況の中黒字で切り抜けています。

これは、シェブロンだけが特別な会社で原油価格下落を影響を受けないのでしょうか。

そうではありません。

シェブロンは36億ドルの黒字で切り抜けました。

その理由は、アゼルバイジャンでの石油・パイプライン施設の売却による16億ドルの特別利益と、製油事業や石油生産拡大で価格安の影響を相殺したものになります。

半分が資産売却の影響によるものです。

また、シェブロンは去年の4Qでは、66億ドルもの赤字を計上しています。

これは、原油、天然ガスの相場下落による物でした。

そのため、4Qの後に相場下落に対する準備を行っていたといえます。

エクソンモービルとロイヤル・ダッチ・シェルの戦略

石油大手エクソンモービル社とロイヤル・ダッチ・シェル社は

未曽有の石油安からの業績悪化を受けてそれぞれの戦略を打ち出しました。

エクソンモービル社は配当維持、設備投資30%削減

ロイヤル・ダッチ・シェル社は配当減配、設備投資20%削減、本業への集中投資

エクソンモービル社では、配当を維持し、その分設備投資を30%削減をしコストカットに努め、

ロイヤル・ダッチ・シェル社は、配当を減配する代わりに、キャッシュ比率を高め、設備投資20%削減にとどめました。

また、アメリカでのLNG設備投資からも手を引きました。

これは、ロイヤル・ダッチ・シェルが再生エネルギー、LNGガス業への設備投資を減らし、本業に注力することを意味しています。

1Qの配当分配をした分キャッシュが悪化したエクソンモービル社と減配した分キャッシュ比率を高め本業に注力するロイヤル・ダッチ・シェル社

どちらが、2Q以降業績が回復するか分かりませんが、

この原油価格、需要減が継続した場合、いずれの企業も継続赤字になるため、

次回の2Q決算が明暗を占うと思います。

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