外資系リーマンです。
超巨大優良企業ジョンソン・エンド・ジョンソンに投資している投資家は多いのではないでしょうか?全米No.1の安定企業と言っても差し支えないと思います。
しかし、そんな巨大企業にもヘルスケア業界特有のリスクを抱えています。このリスクを抑え、なおかつ、JNJを超えるリターンを得られる方法があります。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの最大のリスク
ずばり、訴訟リスクです。
これは、生命を司る商品を作るヘルスケア業界特有のリスクと言っても良いと思います。
超巨大企業ジョンソン・エンド・ジョンソンであってもヘルスケア業界である以上このリスクからは逃れられず、先日もこんなニュースが出ています。
米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンは19日、タルク(滑石)を原料とするベビーパウダーの販売を、アメリカとカナダでやめると発表した。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、タルクを使った同社製品によってがんになったとする、何千人もの消費者たちから訴訟を起こされている。
訴訟は長年にわたっており、同社は数十億ドルの賠償金の支払いを命じられている。
同社は一貫して、タルク製品の安全性を主張している。
「発がん性物質で汚染」と訴訟。(BBCニュースより引用)
ヘルスケア業界のもう一つのリスク
それは、新薬の開発の成功までの莫大な研究費と特許切れです。
アッヴィの主力製品「ヒュミラ」特許切れが迫っている事は以前記事にて紹介しました。
ヘルスケア業界には、この特許により、収益の大部分が支えられているため、新薬メーカーは、莫大なコストを掛けて新薬を開発しています。
また、それだけのコストを掛け新薬を開発しようとしても、効果が出るかはその時々です。
コロナウイルスに対応するワクチンとして、モデルナが発表したワクチンに免疫反応が出ましたが、一方でアビガンには薬効がないと診断され、富士フィルムは株価を下げています。つまり、どの薬が成功するかなどは分からないわけです。
こうした状況が一部の投資家のギャンブル的なバイオ買いを産みます。
このリスクを全て払拭できる方法があります。VHTです。
【ヘルスケアセクターETF】VHT
前置きが長くなりましたが、VHTはそれらすべての要素を分散投資により排除できます。
VHTはバンガード社のヘルスケアセクターに特化したETFで
経費率などは以下の通り。
上位銘柄には、優良製薬メーカーが並びます。
また、上記の様にバイオテクノロジーにも幅広く投資しているため、
新薬開発等による株価上昇等の恩恵もあずかれます。
VHT VS JNJ リターン比較(2005-2020)
期間:2005-2020
金額:10,000ドルを2005年に投資する
配当は再投資とする。
リターン
2005年から2020年の15年間でVHTは4.5倍になっていることが分かります。一方でJNJは3.6倍。これは、ヘルスケアセクターにJNJよりも成長率が高い企業が多い事を意味します。
しかし、ボラティリティーはJNJが小さい所を見ると、やはり安定企業という印象です。
成長グラフ
グラフを見ても、VHTのリターンが2013年以降高くなっていることが分かります。
また、2018年にJNJは大きく下げていますね。何があったのでしょうか。
実は、冒頭のベビーパウダーにアスベスト混入が発覚したためです。このように一度訴訟となると、長期間訴訟問題は続きます。なぜなら、JNJが超巨大企業であり世界中で同商品を展開しているため、各国で訴訟を起こされるからです。
年次毎のリターン
ここはかなり、ばらつきがありますが、ヘルスケアセクター全体が伸びているため、2008年のリーマンショック以外はプラスになる年が多いです。
VHT、JNJの配当系譜
JNJは連続増配企業で有名ですね。そのため、配当は右肩上がりです。
VHTもJNJに多く投資を行っているため、JNJの増配の影響を受け年々配当は右肩あがり傾向です。
まとめ
VHTはJNJよりもトータルリターンが高い
訴訟リスク、特許切れリスクはVHTの分散投資によりリスク分散が可能
新薬や、ワクチン開発等のバイオセクター特有の恩恵も受けられる
良いとこ尽くめのETFだと思います。
唯一の欠点は配当利回りが少々低い事でしょうか。これも増配企業の恩恵が受けられるため、長期間投資により吸収できます。
ヘルスケアセクターに投資するなら、選択肢の1つとなれば幸いです。
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